とどけ!馬の祈りプロジェクト

発起人の現状と、プロジェクトの今後につきまして

当プロジェクトの発起人の夫、ヒロが代筆しております。といいますのも先日6月20日、以前からの無理がたたって、発起人である妻が自宅で意識を失い救急車で緊急入院するという事態が起きまして、9月30日現在の今もなお入院中のためです。

妻は緊急搬送されたのち、意識は病院で取り戻しましたが、入院後一ヶ月近くの間は、身体を起こしていることもほとんどできず、寝たきりに近い状態でした。現在は寝たきりは脱しましたが、常時付き添いが必要なのは変わりなく、またごく最近、肺炎・胸膜炎を併発してしまったこともあり、自力歩行は数歩がやっとで、なんとか車椅子で短時間移動することができるようになった、という状況です。

病名やそれに伴う先入観だけが一人歩きして欲しくないので、詳しい病名等の公開は控えさせてください。ただ主治医には、もっと大きな病院で効果的な治療が効を奏すれば「もしかしたらまた歩けるようになるくらいの」希望もあるけれども、このまま進行すすれば徐々に衰えて痛みも増していきますよ、と言われました。仮に状態が落ち着いて退院できても、以前と同じ生活に戻れないし、馬になんて2度と乗れませんよとも言われました。

付き添いなしではほとんど何もできないのだから、それ相応の設備や、人材も必要になる、介護保険による支援も受けなければいけないと言われて、役場に申請をしましたところ、「要介護2」という判定を受けました。正直に申しますと、医師らからは「余命」という言葉すら何度か出てはいます。けれども私たち夫婦は、「明日生きている保障のある人間なんて、この世に一人もいない。死ぬ日のカウントダウンをしながら過ごすより、『今日』を大切に、動物たちも含めた我が家の大家族と一緒に、笑顔で生きていたい。」というのが本心で、そのような理由から、強い副作用や多額の費用の掛かる、いわゆる「最先端の」アグレッシブな医療・治療行為ではなく、痛み等の苦痛は対処療法的に薬で緩和しながら、自然治癒力や免疫力を高めることに重点を置いた治癒の可能性に希望を託すことにしました。病気と戦うのではなく、病気と共存する…体の中の事は、きっと自分の体(免疫等)が一番よくわかっているはず、と思うからです。

一方で、そもそもこのような事態になりましたのは、妻が元来人並み外れての忍耐力と頑張りと、命に対する揺るぎない正義感で相当な無理をしてきた結果であり、実は私が不甲斐ないことにまたその無理を未然に防ぐことをしなかった、余裕のない活動と生活のしわ寄せをすべて妻に押し付けてきた結果というのが事実であります。

大抵の養老牧場では、預託金をもらうか、もしくは乗馬教室や外乗等の観光事業で馬に「稼がせる」ことによって運営をしており、預託金が滞ったすれば馬は処分となります。そんな中、私たちが、馬を救うために自腹を切り続けてきたのは、「ビジネスでは馬を救えない」「みんなで力をあわせないと馬は救えない」という思いがあったからなのですが、実際には、今までそういう私たちの「馬を殺さない」ところにつけこんでというか、預託料や医療費を払わず消えたり、馬の引取依頼時に約束した定期的なはずの「ご飯代」さえ滞って連絡もなくなったり、ということが何度となくありました。毎月毎月、来月の馬のご飯を心配することも、その調達のために仕事をすることも、私が力及ばないことも、すべて妻のストレスとしてのしかかっていたのだと思います。

ここ数年、地元の牧草を手に入れることもだんだん難しくなってきています。もちろん天候不順のせいもありますが、周囲の農家さんの本音として、私たち夫婦が「お人よしすぎる」と、人に捨てられた「一円にもならない馬」のために、希少な牧草を売るつもりなどない、という気持ちがあったことも事実で、農家さんの言われることもごもっともと、そのジレンマでも妻は悩んでいました。ここ十勝で作られている牧草は、牛たちのためのもの。そしてその牛たちのお乳は、日本全国のスーパーに並んでいる牛乳やヨーグルトなどになる、国民の大事なご飯なのですから。。。

馬たちの命がかかっているのだから自分も命がけで頑張る、と言っていた妻は、本当に命をかけてしまいました。

希望を持ち、引き続き前向きに療養をしていく所存ではありますが、現実的なことを考えると、当初、このプロジェクトで掲げていた数々の目標は、少なくとも当面の間は、達成不可能となります。ですので、新たに馬を引き取る、馬をレスキューするための相談に乗るといったことも含め、プロジェクトの大半は、「無期限休止」とさせていただくことにし、今後は、すでにレスキューされて当牧場で余生を送っている馬たちの一口里親会「パパママの会」に一本化してまいります

大変申し訳ありませんが、ご訪問や面会、取材等も一切お断りせざるをえませんので、どうかご了承ください。

6月に入院のお知らせをしまして以降、馬たちを見守ってくださっている多くの皆様から、お気遣いのコメントやメールをいただき、また、お見舞いのお品や牧草のご支援、そしてご寄付をお送り下さった皆様、大変感謝しております。動物たちの世話、子供の世話と病院との往復で、なかなかパソコンに向かう時間がとれず、お返事等もできていない状態で、恐縮です。<(_ _)>メールのお返事は、しばらく難しいとは思いますが、なるべく早く、馬たちの近況報告だけでも、できるようにしたいと思っております。今後とも引き続き、馬たちのことを見守っていただけますよう、心よりお願い申し上げます。

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